血圧の管理について

全身の入り口であるお口の中に入るもの、つまり食べ物や飲み物は、生きる土台でありスタートです。

私たち「歯科で働く管理栄養士」が、歯のお話や食事、生活習慣についてなど様々なテーマで毎月ブログにてお知らせ致します。

普段の生活にお役立ていただけたら幸いです。

よろしくお願いします♪

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みなさんこんにちは。歯科管理栄養士の瀬野です☺️

今回は血圧の管理についてお伝えします。

みなさん、ご自身の血圧の数値はご存知ですか?

高血圧の基準は家庭血圧で135/85mmHg以上、診察室血圧では140/90mmHg以上と定義されています。

 日本の高血圧患者は、全体として約4,300万人いると推定されており、日本人のおよそ3人に1人が高血圧という状況です。もはや国民病といっても過言ではありません。高血圧を放置していると、心疾患や脳卒中を起こす可能性が高まります。しかし、自覚症状がほとんどないゆえに、積極的に治療を行わない人も多いのが現状です。

◎高血圧対策の食事

単体の栄養素を補給するだけでなく、食事内容全体を改善することで血圧の降下作用をもたらします。今回は具体的な高血圧対策の食事についてお伝え致します。

*DASH食を参考に

DASH食とは1990年代にアメリカで提唱された、高血圧予防・改善を目的とした食事方法で、その特徴は大きく分けて2つあります。

①ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム)や食物繊維、たんぱく質(血管を丈夫に保つ)を増やす

②飽和脂肪酸やコレステロールを減らす

これらの増やす栄養素と減らす栄養素を組み合わせることで、体から余分な塩分を排出することを促します。

*「うま味」や「風味」を取り入れて減塩食に

食塩の摂取量は 6g/日未満が推奨されています。 減塩食は単に食塩を減らすだけではなく、「だしのうま味」 や「他の食材の風味」を活用すると良く、かつおだしに含まれるアミノ酸やペプチドには降圧効果が期待できます!レモンやすだちなどの酸味、カレー粉やマスター ドなどの香辛料、しそ・ねぎ・生姜・にんにくなどの薬味を 上手に利用することで素材を引き立て、より美味しく味わうことができます。

*味噌や醤油に血圧降下が、、?

発酵調味料である味噌や醤油は食塩の含有量が懸念されていますが、血圧降下作用も知られています。味噌に含まれる「褐変物質メラノイジン」の抗酸化作用 や「大豆イソフラボン」の降圧効果、さらに血管を広げる因子など複数の活性因子が総合的に機能した結果、味噌には血圧降下作用があると考えられ ており、今後のさらなる研究に期待されています。

 ちなみに、味噌の食塩含有量は 5~13%程度なので、味噌 汁一杯分では食塩は約 1g 程度です。

また、醤油に含まれるペプチド(アミノ酸がいくつかつながった成分)には降圧作用が期待されるものがあります。 ACE 変換酵素阻害ペプチド高含有の醤油」はヒト試験において血圧降下作用が確認されたとの報告があり、特定保健用食品にもなっています。

以上のポイントより、食物繊維が豊富で、飽和脂肪酸、コレ ステロール控えめの和食に「だしのうま味」や「風味」 「発酵調味料」を上手に取り入れることが高血圧対策の 食事としておすすめです。